「さようなら 太母さん」 「さようなら 小田野先生」


心のツインタワー逝く

 今年の8月末に占星家の上谷登茂枝(うえたにともえ)さんと小田野先生宅をお訪ねした際に、同席の誰かが今年の秋に何か大きな事件が起きるか、起きるとしたらそれは何時頃かと尋ねました。上谷さんは少し考えてから、(星の運行から見て)9月と11月に大きな事件が起きるが、それは「大木が倒れる」、つまり大人物が亡くなるということ、そしてそれが女性であるとおっしゃいました。

 9月11日にニューヨークの貿易センタービルのツインタワーが倒壊した事件を見て、すぐに「大木が倒れる」という比喩を思い起こし、これで一つ当たったと思いました。二つのタワーが倒壊したことから、二人の女性が倒れるのではないかと思い胸騒ぎがしました。考えたくないことなので、念頭から追い払い、生活は通常のようにしていました。

 そして11月、まず9日に小田野先生が斃れられ、しばらく人事不省となりました。その後意識が戻られたので、ホッとする間もなく、母の容態が急変し、21日にはあっけなく逝ってしまい、その告別式の日の午後少し前に小田野先生も逝かれたことを知らされたのです。

 私にとって最も偉大な精神的導師は小田野早秧先生でしたが、母親でもある太母さん(親子でもそう呼んでいました)も私に大きな影響を与えた人でした。何しろ生まれた時からすぐに教育されたのですから、私の血となり肉となっていたのは母の教えで、その土台があったからこそ小田野先生の偉大さが直感できたのではないかと思います。

 小田野先生は字を分けて真理を掴んでいく探究法を考案された方ですが、その方法で「始」という字を分けると女と台になります。女が台になると始まるということです。大木のような偉大な女性が倒れ、その業績が土台になって始まるのが21世紀の2001年というように解しました。

 まことに寂しいかぎりのことではありますが、新しい時代の始まりを思うと、何か明るい、輝かしいものを感じるのは私だけでしょうか?


2001/12/05 静流