もどる

「今回は、40代の女性 主婦  ジョナさんからよせられた内容です。」

第10回  「人の幸せをみると妬んでしまいます」

From  ジョナさん

いま私は、自分自身の性格で悩んでます。それは、人の幸せを心の底から喜んであげれないということです。出産退職していく人を見ると妬ましいし(私は不妊症)、友達が結婚してマンションを買ったり、夫婦で海外旅行に行くと聞くと羨ましいのを通り越して、本当に妬ましく思ってしまうのです。その上、他人の不幸な話を聞くと、ホッと安心してしまう自分がいる。自分は自分、人は人と思っても割り切れなくて、いつも他人の幸せと自分の幸せを比較してしまうのです。私はやさしい両親に育てられて、結婚してからも実家の近くで社宅住まいをしてます。主人もとてもやさしくて家事にも協力的。子どもができにくいこと以外とても幸せなはずなのに、どうして人の幸せを妬んでしまうのでしょう? 最近そんな自分が本当に嫌で、生きていくのもツラくなるときがあります。私はどうすれば、もっと自分をしっかり持って、おおらかに生きていけるのか教えてください。

 

カウンセリングメッセージ

by  Yuriko

「人と自分を比較して妬んでしまう」ことは、決してあなただけを悩ませている感情ではありません。他人の幸せをうらやましいと思うのは、人間に備わった自然な感情で「悪」ではないのです。だから、それだけをとって自己嫌悪に陥る必要はないんですよ。

 ただ、いつも「妬み」の感情に心が支配されていたら気分がいいわけがないし、心から幸せをかみしめることはできないと思います。

 他人と比較するのは人間の自然な感情だといいましたが、同時に人には、本来「自分の幸福に感謝する心」もあって、この二つがバランスを保つことで、羨望や妬みを向上心に変えています。あなたの場合、この二つの心が、ほんの少しバランスを失って、それがあなたの苦しさにつながっているようです。

 では、バランスを取り戻すにはどうすればいいかということですが、まず、自分が自分の理解者になりましょう。自分を審判しないで、自分に湧き起こる思いをありのまま受け入れることです。「あっ、いま私は嫉妬している。うらやましがってるんだ」と、自分の感情そのものに判断を加えないで素直に味わいます。

 自分を丸ごと受けとめることが、理解の出発点です。自分が自分を責めている間は、それができません。比較とは、常に視線を自分より上に向けるか、下に向けるかになります。上を見て妬みを覚え、下を見て優越感に浸ったり安心感を覚えていると、水平の視点、つまり本来の自分の姿をとらえられなくなってしまいます。

 比較は一時的な勝ち負けを判断するものでしかなく、あなたは、比較したりされたりするために幸せになりたいのではありませんよね。他人と比べて自分を判断していると、自分という存在を相対的にしか評価できなくなります。 それは、自分の価値が、常に他人の結果によって支配されることに甘んじることです。

 競争社会で育った私たちが、他人の様子を気にするのはやむを得ないことかもしれませんが、人生の幸福を、学校の成績のようにして考えるクセからは、一日も早く卒業する方が賢明です。

 となれば、あなたにいま必要なのは、他人と比較して「自分にない」ものを云々することではなく、「自分にあるもの」に焦点を当てていくことです。それが、あなたの有形無形の宝であり財産です。

「自分にあるもの」とは、「やさしい両親」「結婚後も実家の近くに住めること」「やさしいご主人がいること」はもちろんのこと、友人、仲間、健康など、あなたの周りに無限に存在する幸せの種を拾い集めていきましょう。

 すると、生まれてくるものは、「感謝の心」です。それは、自分の身近なものに向けて始まり、しだいに輪が大きくなっていくと思います。ご先祖、太陽、大自然…また、いたわり、慈しみ、勇気、愛。そのとき、あなたの心はバランスを取り戻すことができるのです。

「幸せなほうだ」という幸せはありません。「幸せだ」とあふれてくる思いこそが、幸福の証です。そのためには、幸福感を感謝の気持ちにまで昇華させなくては、結局「あれはあるけど、これはない」という比較論にとどまり、いつも不足感にさいなまれて妬みの感情から抜け出せなくなくなります。

 それでもあなたの中に、「どんなに感謝しても、子どもについては妬んでしまう」という思いがわいたら、それは、まだ頭で考えて、幸せの要素を「分析」しているということになります。他人と比較して、「ないもの」に固執している自分に気づいてください。

 あなたに子どもが必要なら、授かることでしょう。でも、そうではない人生から、幸福を感じることを体験しようとか、あるいは「みんなは子どもがいるのに」という感情を克服する体験をしようと、もし、あなたの魂が決めたとしたならば、それは起きません。

 これが、私たちは自分に必要なものは、すべてそうなるように備えて生まれてきているという意味です。どうぞ、あなたの今ある人生と、今こうして生きているあなた自身を、すべて受け入れて感謝して生きていってください。

ご相談入力コーナー



copyright (c) 2001 Yuriko Usami's Internet office. Mostrecent update: 2002/07/26