さぞかし無念な思いで途方にくれているのでしょうね。でもあなたが、だました人に恨みつらみをいわないで、自分の未熟さを見つめて反省している姿に感心しました。また、心配をかけるだけだから、両親に伝えないで何とかしようとする自立心と気配りもよくわかります。
今回、お金が返ってくればそれに越したことはありませんが、私たちが生きていく過程にだましたりだまされたりがあるとしたら、だます人より、やさしさゆえにだまされる人の方がどれだけ救われることかと思います。まずはこの体験を、本来のあなたが学びたいことがあって導いたと考えてみてください。
私たちは、自分が放ったエネルギーをさまざまな形で受け取りながら生きています。それはいつか必ず自分に還ってきます。だましたらだまされるということではなくて、だましたことで生み出した落胆や悲痛のエネルギーを、今度は本人が別の形で浴びるということです。
その意味であなたが人を裁く必要はなくて、あくまでも大事なことは、お金をだまし取られるという体験をしたあなた自身のことです。あなたは、今その体験から心に何を思ってもいい自由があるんですね。心の選択肢とは―
@相手を生涯憎む(相手の不幸を願う)A同情はばかを見る(これからは冷淡にいく)B人の話は何でも疑ってみる(人を信じてかからない)Cお金は何が何でも重要(貯金にしがみついて生きる)D自分は情けなくてだめな奴(もう自分を認めない)
これらはさらに落ちこんでいく重たいエネルギーです。その一方で、あなたには次にあげることを選択する自由もあることを知ってください。
Eお金に執着しない幸福を手にする(お金はめぐり続けるエネルギー)Fあとで自分が困るような対応はもうやめる(初めから、困った人に期待を持たせない)Gお金を貸すときは、返ってこなくてもいいと覚悟できる金額(あげてもいいと思えたときだけ)H許すということは忘れること(必要な体験だったんだと割り切る)I宇宙預金に精を出す
最後の「宇宙預金」とは、善意の預金のことです。宇宙に預ける"あなたが困ったときに人から助けてもらえる預金"です。こっちを目標にして生きていくと、迷いがないし増えていくほど安心して生きられるようになります。私は、人としてとても価値ある積み立てだと思って励んでいます。ただし、自己顕示のための見せかけの善意は預かってもらえませんよ。
私たちの幸不幸を決めるのは、出来事じゃなくて、それをどうとらえてどう行動をするかというその人の心なんです。すべてはそのための学びであって、切磋琢磨して進歩しようという魂の願いがそこにあると感じます。
真っ只中で揺れているあなたの心にエールを送ってください。『有り金全部かけて、大事なことに気づこうとする私ってすごいよ!』って。そして、こうなったからにはなるようにしかならないと腹をくくって、自分を励ましつつ上向きのエネルギーを持ち続けましょう。あなたにはまだ動かせる体も自由な心もあるのだから、今できるプラスの行動に全力を注ぐこと。その決意が、これからの人生を生み出す原因になります。
そして、その結果を受け取るころ、あなたはひと回り大きくなって、きっと今回のことを感謝できるのではないかと思います。あのことがあって、今の自分がいると…。