孤独の淵で悩んできたつらさが伝わってきます。もう充分苦しまれたのですから、ここで意識の転換をしましょう。文面に「人間は内面が大切なのはわかっています」とありますが、真にわかってないから脱することができないということを知ってください。
あなたの深層心理では、幼児期に内向的で淋しかったことを克服するために、思春期に自信を見い出して女性に認められたいと思ったのでしょう。でも、その意識が過剰なあまり不安が増大していき、逆にコンプレックスを作り上げたように思われます。年令と共にそれに拍車がかかって、ますます深刻で陰鬱な陰を落としていったのでしょう。
コンプレックスとは、自分を脅して傷つける自己否定の行為です。それは、他人と比べることで生じます。私たちは競争社会の中で育ち、"上を行く人が優秀で、最低でも横並びでない人は劣等"という比較意識を植えつけられてしまったんですね。だから、あなたが悪いわけではありませんが、あなた自身が《唯一の存在》としての自分を認知して比較癖から解放しない限り、ずっとこの先も脅迫概念に縛られることになります。
まず、女性とのお付き合いについて。あらゆる女性を満足させたいわけではなく、あなたが心を通わせたいと思う女性を満たしたいならば、もっとも重要なことは「相手を慈しむ心」です。大切なものは「愛は、あれば通じるという信念」です。これはもちろん、セックスにおいてもまったく同じです。
でも、これまでのあなたは正反対でしたね。女性はハートより即物的なもので判断するのでは…とおびえ、心と心が深くつながるのは、性欲を満たし合うことのできる相手だと。それは勘違いですよ。人は本来、慈しみ合いたい生きものなのです。あなたもそうでしょう? そういった触れ合いから、深く信頼できる関係を築き始めるんです。
誰でも、大なり小なりコンプレックスを抱えています。だからこそ、それを責め合うんじゃなくて、いたわり合える間柄に安らぎを見い出します。そうした関係を望むのなら、まずあなたからそのつもりで女性と接してください。愛情を育むために付き合うのですから、あなたがその大目的を忘れては、それを願う女性との縁が途絶えてしまいます。
その延長上にあるセックスならば、何も恐れる必要はありません。女性は、あなたの安らかな愛に抱かれて満足するのですから。また、そういう価値観を持った多くの女性を対象にすればいいことではありませんか。
あなたが心豊かに後半生を過ごしたいと思うならば、もうそのコンプレックスにとらわれている場合ではありません。だれかが認めて手を差し伸べてくれるのを待つのも無駄です。なぜなら、あなたが自分自身をさげすむことをやめて唯一の存在としての価値を認めなければ、同性異性を問わず、本人が否定しているあなたという人物に好意を寄せるのはむずかしくなります。
その理由は、私たちは各人が信じ込んでいるように周りの環境を創っていくからです。ようは、目に見えないエネルギーを発して、他人に自己証明をしているようなものです。それゆえ、あなたの放つものが変われば、あなたの住む世界はそれに伴って変わります。
その根源にあるのが意識なのです。あなたの意識は、意志を強く持つことで変えられますが、その際あなたの中に、『どうせこんなことでは変われない』という信じ込みがあると元も子もなくなってしまいます。
今度こそ「自分はどのような内面の漂う人物でありたいか」を真剣に考え、その通りに振る舞うことに心血を注いでください。人生の正念場だと覚悟して続ければ、必ず状況は変わっていきます。