「欲」    


欲

 欲にもいろいろあります。食欲、性欲、物欲、金銭欲、名誉欲、知識欲等々。
上記の文字を見るとおそらくあまり良い印象を持たれないのではないかと思います。 欲という字がついていると何か嫌な感じがするのではないでしょうか。 これらの欲それ自体は生命ないし精神的均衡の維持のために必要なものを求めるごく自然な欲求なのにも関わらず。 どれも欲求度の高さが問題なだけだと私は思います。 ある程度は必要で、度を過ごすとそれに取り付かれて肉体と精神の健全性を損なうようになります。 要するにバランスの問題です。

欲を二つに分けて見ましょう。谷に欠です。谷が欠けているとも読み取れます。高まりばかりで低いところが無いのです。

 野生の動物の多くは腹いっぱい食べると後は絶好の獲物が近くに来ても見向きもせずに寝ています。
満足している時には貪りません。食欲に山と谷があるのです。
性欲にもシーズンがあって年中発情している動物はほとんどありません。性欲にも山と谷があるのです。

 知足安寧(ちそく あんねい)という言葉があります。 「足ることを知る」と心が安寧(安らか)になるという意味です。 欲は自分の本当に欲している物を見極める良いチャンスと捉え、あんまり自己嫌悪におちいったりしないようにポジティブに生きると大分楽になると思いませんか。ポジティブな姿勢でいると強迫観念のような切羽詰った飢餓感が少なくなるので少しでも結構満足し、幸せになれるという副作用もあるらしいと私は思っています。あくまでも自分自身の経験ですが。

2003/02/10