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マーヴィン・ラーソンの功績 |
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デザートミュージアムとラーソンカンパニー | |
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動物園はすきだろうか? 鉄の格子をはめたコンクリートの箱に動物が入っていた昔の動物園は子供心に「可哀想だな」と思った。昔の動物園というのは哀愁に満ちた場所だったと思う。 でも最近は生息環境に近い環境を人工的に作り出して、見る人達よりいきいきした動物達が見られるような工夫がされている。 こんな話がなんでツーソンに関係あるかといえば、この動物園の劇的な変化はツーソンから始まった事なのである。
マーヴィン・ラーソンはソノーラ・デザートミュージアムの館長だった。この施設はダウンタウンから車で30分程の場所に広大な敷地を持つソノーラ砂漠の動物園。魚類にいたるまでの総合的な野外環境動物園だ。ラーソン氏は考えた「環境のサンプルとして集められた生態系をもっと本来の生きた姿で見せられ↑ | |
ないだろうか?」 紆余曲折の試行錯誤の結果世界で始めての生態展示手法を開発。ミュージアムを訪れた人々の感動は瞬く間に世界へと広がった。
このプロセスでは多くの困難があったが、一番の苦労はラーソン氏のイメージを現実の空間に作り出す技術だった。建設でも工作でもない造形的なコンストラクションだったのである。 | |
 デザートミュージアムの導線には動物舎などの人工物が見えないように工夫されている |
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ラーソンカンパニー誕生 |
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この問題に取り組むうちに、今までにない造形技術集団が出来上がった。これがツーソンのラーソンカンパニーである。 | |
ラーソンカンパニーの仕事は砂漠の岩山、サバンナの草原、サンゴの海、そして時には火星の表面を実寸で作り出すデザインであり造形作業である。
ラーソン社の作った所は面白い。とにかくこれにつきる。技術が世界に広まった今でもプランやデザインが違うので全く違う。ツーソンはまさにこの偉大な功績の発信地だったのである。
ニューヨークのブロンクス動物園の目玉である「ジャングルワールド」もモントレー海遊館の展示もスミソニアンの火星もアメリカのあらゆる有名展示に絡んでいるといっても良い程ラーソンの功績は生きている。大阪の水族館もラーソンの作品だ。 | |
その原点となったソノーラミュージアムは今も訪れる人を楽しませている。 今は館長も変わって、ラーソンカンパニーも別のCEOが手腕を振るっているが、変わらず仕事を続けている。 | |
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ラーソン社が制作した岩 (コンクリートで彫刻作品の様に造られ アクリル着色されている) | |
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ラーソン・ジャパンのプランニングディレクターで。日本人で最もデザートミュージアムを訪れている藤村正宏さんのホームページからデザートミュージアムの部分を転用させて頂こう。
(以下藤村氏) アリゾナ ソノーラ・デザートミュージアム
巨大なサボテンが地平線まで続く荒涼としたソノーラ砂漠。 その砂漠の中にあるのが、デザートミュージアムである。↑ | |
そんなに大きな施設でもないが、いろいろな意味で、動物園の中では世界一ではないかと思う。 デザートミュージアムは研究や種の保護プログラムも進んでいるそうだ。 ここを訪れるたびに、わが国との動物園に対する考え方の違いに愕然とし、日本の公共事業のしくみ、社会教育の考え方、動物園展示の質の低さなどを思い、悲しくなってしまう。
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こういう施設が日本にできるのは、もしかすると100年も先ではないかと思ってしまうのだ・・・・ | |
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