Vol.10

Vol.10「リラックスや〜い!」

「リラックスや〜い!」

 

 こんなに暑いと、思わずボーッとしてしまいませんか?何もしないで時を過ごすことをボーッとするというなら、世間一般にそれはよくないこととされて、活動することがよしとされる風潮がいまだにありますよね。

 その中で育てられた私は、「ボーッとしてる暇があったら勉強しなさい」とか「手伝いなさい」とよく言われたものですが、知らないうちに"ボーッとする=時間を無駄にするのはよくない"という価値観がすり込まれていって、今度はボーッとしていると罪悪感を持つようになってしまいました。

 ところが、ストレス過剰社会の反動で時代の価値観は変化して、リラックスすることの大切さがあちらこちらで語られるようになりました。すると、今度は「リラックスしなくてはならない!」と強迫観念的に思っている人が増加して、いかにアルファ波を出すかを研究し、自分はリラックスしているかどうかを考察するというありさまです。

 例えば、いざ心を休ませようと座禅や瞑想を取り入れ、「無にならねば…」と力んで何も考えないようにすることを考え続けていては、心は休まるどころかまた課題を抱え込んでしまいます。そういうことを一切考えないことがリラックスなんですけれど…ネ。

 リラックスとは心を休ませることですが、何も考えないのも一案ですし、自分の好きなことをして心をゆるめるのもいいと思います。あまり緊張状態の継続するものは別として、多少のストレスがあっても、園芸や創作活動など楽しいことをしていれば、脳からはアルファ波が出て心はホッとします。

 また、『何ボーッとしているの』という言葉は、「よくない」というイメージで使われていますが、いざリラックスしようとしてもボーッとできない人がこれだけ多い中で、「何も考えないでボーッとできるのはいいことだ」という価値観があっていいと思います。

 ようは、ボーッとしようが何をしようが自分のやりたいことを見つけて、自分の心身を自由にさせてやることがリラクゼーションの必須条件なのです。

 そこで提案。現代人は、働いているかお金を消費しているかのどちらかで起きている時間を過ごしがちですが、これからは"役に立たなくてもいい自分の時間"を持ちましょう!

 こうした発想に自信を持てば、つまらない飲み会や義理の誘いを断わって、心が休まる自分の時間を作り出す勇気も出てきませんか?

 私はといえば、人生半ばにしてようやく意識改革を遂げ、今やボーッするのが何よりの快感でいとしい時間です。無駄だなんてとんでもありませんでした。目に見えない自分のパーツが癒され進化する、また直感が冴える貴重な時間だとわかったのです。

 だから、散歩をするときもウォーキングメディテーション。ただボーッと五感に触れるものを楽しんで歩くだけで何も考えません。そうすると、空を仰いで風や香りや光を受け止めているうちに、自分が自然の一部に溶けているように感じる…これは私にとって最高のリラクゼーションです。

 室内でのお気に入りは、意図的にお風呂にゆっくり入って贅沢三昧すること。その方法をご紹介しますね。

 ポイントは、刺激の入り口である五感を自分の好きなことで埋めてしまうことです。気になることを湯船で考えるのではなくて、気になることを忘れる時間にすることと、全細胞を解放してゆるめるのが目的です。

 私はキャンドルを使いますが、照明は押さえて…ドアを開けてゆったりした好きな音楽を流し…アロマやお香などを利用していい香りを…アイスハーブティでも何でも持ち込んで準備完了。だらだら入れるぬるめのお湯に身を横たえたら、まぶたを閉じて南国の水辺かどこか自分が気持ちのいい場所で漂っているイメージを浮かべ、幸せいっぱいの気分を味わう…。あとはできる限りボーッとするだけ。

 これをバカバカしいと思わずに、一度だけでもやってみようという遊び心はありませんか? 日常的なバスタイムを"役に立たなくてもいい自分の時間"として使うことで、とてもリッチなリラックスタイムが体験できますよ。

 

 



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