〜才能を見つけるのはあなた〜

Vol.5

 

 就職シーズン到来ですね。厳しい就職戦線に重ねて、リストラの嵐に巻き込まれて苦労している方もいらっしゃることでしょう。

 私のところへも「無難なところを探して就職活動はしているけれどときめかない」とか、「OLには向いてないんじゃないかと思えてきたけれど、かといって何の仕事をしたいのかわからない。自分は一体何に向いているのか」という相談が多くなっています。

 自分を生かせる仕事がしたいという前向きな気持ちがありながら、これといった才能もないし、何が天職なのかわからないという人は意外に多いと思います。

 そこで今回は、自分にぴったりの仕事を見つけ出すコツをお伝えしましょう。

 はじめに、才能や天職というのは、それぞれに必ずあって、特別な芸術的にすぐれたものを指すわけではないし、大小を語るものでもないということを理解してください。名を成した人たちは、好きなことを見つけてチャレンジした結果それを得たのです。でも、はじめの一歩をスタートしない者は何も手にすることはありません。

 では、まず自分の小学生の頃を思い出してみてください。そのとき、大好きで時間がたつのも忘れて夢中になった事柄があるはずです。もし、浮かばなければ、中学時代まで広げても構いませんが、職業として浮かべる必要は全くありません。

 ただし、高校時代に夢に描いたことは、社会的な判断や計算がすでに働いていて、本来の願望や能力からはズレてしまうことが多いためあまり参考になりません。

 さあ、何か思い出しましたか? そこにこそ、あなたの隠された才能と天職を見つけ出す鍵があります。

 例えば、あなたが他の子供よりも動物が好きで好きでたまらなかったとしましょう。それは、動物と関わることでワクワクする自分、やる気が沸いてくる要素があるという見方をします。

 また、動物を愛する思いを仕事への熱意につなげていけるので、飽きる要素も少なく、きっと他のことよりもいろいろとアイデアが湧いてくるでしょう。

“動物といれば幸せを感じる自分”だから、それが天職になるのです。あとは現実的に、動物を身近に感じられる職場を探せばいいわけです。

 具体的には、獣医、飼育係、盲導犬訓練士、トリマー、ペットショップ、といった直接動物に触れる仕事から、動物のことを年中思い描く環境の職場として、動物用玩具や子供向けファッション・おもちゃ・文房具・インテリアなどの動物デザインから製作まで、その他数多くの職業へと派生させることができますよね。

 そうした中で、「よし、これだ」と思うものを選んで、あきらめないで挑み続けることです。きっと、道は開けますよ。だって、“好き”ということは、人より楽しんででき、最小の努力で最大の効果を得られる能力を秘めているということですから。

 私の場合は、友達を集めてお話をすることが好きでした。人が、驚いたり笑ったり感心したりするのが快感で、目立ちたがり屋でもあったと思います。就職活動の末、ある会社の人事部で社員教育にたずさわることが決まりましたが、少しも心は弾んでいませんでした。当時の私は、不安を抱えたまま、どこかに落ち着かなければまずいしカッコ悪いと思っていただけでした。

 そのことを恩師に打ち明けたところ、アナウンサー試験を紹介されたのです。そのときの胸の高鳴りは今でもはっきりと覚えています。そして、アナウンサーになれなかったとしても、しゃべりの道を歩こうと決意して、会社の内定取り下げを願い出たのです。

 先が見えない不安はつらいものですが、逆に、人生はこうなると結果が保証されていないから、プロセスに喜びを見つけ出せるとは思えませんか? 

 すべてが決まっていたらときめかないし、第一やる気が湧いてきませんよね。だから、自分の目標を決めたら、とりあえず迷わないこと。それに向かってまず一歩を踏み出す勇気を持つことが大切です。そこに生きる意味があります。

 胸の奥から突き上げてくるものを思い出してください。その衝動こそが才能の入り口です。

 



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