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はじめに |
第一章 舟を岸につなぎなさい |
第二章 潜在意識が容認しているもの | 第三章 岸につなぐ綱 | 第四章 岸につなぐには |
第三章
岸につなぐ綱
舟を岸につなぐ。
この問題を相談するために、各国の指導者による会議を開く事が、必要でありましょう。
ここに舟を岸につなぐ綱があります。
綱と言うのは、次の問題の納得と究明です。
問題
1、文明が大車輪で発展すれば、災害も大車輪で大発展することに目を留めなさい。
1、なぜか?
2、災害の7割までは人間が引き起すものであります。ということは、災害の7割までは人間が防止
できます。どのようにして?
3、今、他の天体への究明と試みが大掛かりになされていますが、距離における「より遠く」とか、
面積における「より広く」とか、速度における「より速く」とかいうものと、我々の幸福の要素、
安全とか愛情とか信頼とかいうものとは、あまり関係のあるものではありません。天体究明も大
切に違いないが、足元にもっと大切な問題があることを忘れてはいませんか?
4、医学の進歩と歩調を合わせて患者が増加し、病院と医薬が氾濫するのはなぜか?また、人命が伸
びたという一方、内部よりの崩壊が加速しているのはなぜか?
5、和合調和を招くのが宗教であるのに、宗教と名乗りつつ、世界に排他反目の巨大な壁を造らせた
矛盾と罪に留意し、反省して、教義の欠陥を正し、信仰の誤りを直しなさい。直すには?
6、文明生活と人口問題についてと、衣食住についての心構え
7、精神的美しさが急速にうすれつつある今日において、それらの美しさが再び人類の上によみがえ
ってくる処方箋について
8、常に善い悪いと言い続けてきながら、未だに善悪邪正の判断をする明確なより所を持たないのは
なぜか?ということとそのより所
9、人類の苦しみの第一因は、要不要の算定を無視した物品乱造であり、悩みの最大因は、乱造せざ
るを得ない経済機構にある。ということについてと、その重苦から脱する方法について
10、物品乱造の結果、乱費となり、これが人類と他の万物との関係をどのようにしているかについ
て
11、空気の生態と、その果たしている三大役割について
12、科学界に対する要望と、その研究目的についての示唆
13、原子力はその使用目的が何であれ、取り扱うこと自体が災害のもとであるという理由について
14、既に貯蔵されている原子力開放にあたっての諸条件について
15、教育は学校に始まってはもう手遅れで、出生と同時に始まらねばならないということと、その
始まりにおける諸注意について
16、以上15項目の解答がすべて帰着する終点において発生してくる諸問題について
以上16項目中、最も重要なのは、最終の16項です。
前記15項目は、あなた方がよく検討なされば、容易に解明するものであり、もうとっくに解明も
しています。
しかいその解明を基調にしたさまざまな具体策を「どのようにもっともスムーズに、かつ急速に、
現在の社会機構上に適合させていくか」が問題の重点であり、この重点を取り扱うのが16項だから
であります。
前記15項目はすべて帰着する一点があります。今日まであなた方が何を求め、何を得ても満足で
きないで、幸福とは永続性のないものだとあきらめかかっていたのは、この一点を見落としていたか
らであります。15項目の帰着する一点こそ、ついにそれが何であったかを明示するものです。
さて、
おしなべて人類が直面している現代の大厄難下にあっては、もう単なる我々一個の安全や、一国の
み中心の安全などと言うものはあり得ません。
この大厄難下から脱出するには、全人類をもって一人格的態勢になり、これにあたるよりほかに方
法はありません。一国のみで、一組織のみで、一主義のみで、一宗教のみで、などというような、な
まやさしいものではありません。
実に、人類総立ちになって、あたるべきものであります。
第16項は、そうした行動を起こすに先立って、いろいろな具体策を生み出すところの、偉大な産
院であります。
つまり全人類共通の新しき政治経綸(けいりん:国家を治めととのえること)を生み出すところで
あります。
これまでの政治経綸は、おのおのその一国の利害を中心とするものでした。
しかし真の政治経綸は、一国のみを中心とするのではなく、全人類の利害を考慮するものでなけれ
ばなりません。いやいや、人類のみと思うところに根本の誤りがあります。必ず必ず、万物共栄共存
であり、古今に変わらず、東西に偏らないものでなければなりません。
して見れば、人類の歴史上、今日まで真の政治経綸は行われていなかったというベきであります。
そうです。
人類の歴史において、真の政治経綸があなた方の目覚めによって、今打ち出されるか、出されない
かであります。
この新しき政治経綸こそ、舟を岸につなぐものであり、あなた方が不安動揺のはかなき笹舟から、
確固たる大地に上陸なさることを保証するものであります。