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太母さんの教え2 母は旅が好きな人で、思い立つとその日に出かけてしまうようなことがよくありました。国内旅行は他の人にまかせて私はもっぱら外国旅行にお供をしました。その一風変わった旅の仕方にとまどったり、困ったりもしましたが、今思えば随分と勉強になる点がありました。特徴を箇条書きにしてみましょう。これはカバン持ちの私が仕度をしない場合の二、三週間以上の長期旅行の場合です。 ● 荷物が少ない
旅上手は荷が軽いと言いますが、実にもって軽く、カバンが要らない程でした。和服しか着ないのですが、まず履物は履いている木のポックリだけで替え無しです。替えの足袋は一足だけで、薄いナイロンの足袋カバーを一足。下着は腰巻と肌襦袢各一枚、半えり一枚。着物は裏無しの薄いものを一枚。これだけです。 ● 病気にならない
私は、あまり衛生状態の良くない国を旅して現地の生水を飲んでひどい下痢をしたことが何度もありますが、母は一度もお腹を壊したことがありません。私はボトルに入ったミネラルウオーターを飲んでいて、母は水道の蛇口から直接水を飲んでいたのにです。日ごろから健康で胃腸を壊すことなどない人ですが、それだけで食あたりしないわけではないのです。 ● 時差ぼけしない
飛行機に乗ると座席の背をまっすぐに立てたままですぐに眠ってしまいます。食事の時以外は到着するまで眠っています。これは姿勢が良くないとできません。頭がぐらぐらして目が覚めてしまうからです。なぜ頭がぐらぐらしないかというと、まず頚椎に歪みが無いからです。それから意識不明の眠り方ではないからです。周囲の出来事をある程度把握していながらの睡眠は瞑想状態によく似ていると思います。脳波はおそらくα波になっていて、深くリラックスしているのでしょう。実に穏やかな表情をしています。
2002/03/04 |