新刊書のご案内です。

 

「舟を岸につなぎなさい」他数編 10月中旬発刊予定。

 

 

この夏の何と息苦しいほどの暑さだったでしょう。

何だか「地獄のよう」とさえ思えました。

 

以下の文はこの本に収録されている、「地獄はあなた達で閉幕できる」という文章の抜粋で

す。この本に収録されている数編の文章を読むと、「大丈夫なんだ、安心した」と思うと同

時に明るい希望が湧いてくることでしょう。

太母さんの写真集も収録されています。カバーの写真はインド最南端の海です。

 

 

「地獄はあなた達で閉幕できる」から抜粋

 

お釈迦様も(また)、このおびただしい光の徳相をごらんになった時、この徳相の奥に、もう

一層大変なものを発見された。

 

 それはもう大変な発見です。何だと思う? 光は、光とだけ截然(せつぜん)(区別がはっきりして

いるさま)と言い切れるものではないらしい。どうやら、これは、光の如きものらしい。

十方無限世界に於て夜昼となく常不断に()びに()びてやまぬこの光は、どうやら微妙な起

伏をもってのびているらしい。それは、一日のうちでも上下する温度差のお蔭で肌に感じ

られてくるし、風の吹く具合でも雨の降る具合でも心の眼にそれが見えて来る。するとこ

の光というものは動いてやまぬものであって、のびにのびること自体が、力の如くに感ぜ

られる。この起伏を持って動いている力の如きものでもあるのが光であってみれば、光は

力であるとも言える。ということから光は波動するものだと分かった。

 

 そこで光の如きものの動きはどうして起伏を持って動くのか、つまり波動するのか?

という疑問が起ってくる。と、やがてまた、この疑問が解けて、遂に十方無限世界の中に

おいて、生じたり減したりして見えるもの、我々が物質と呼んでいるものと、空間との関

係が分かって来た。それは、空間が先か、物質と思われているものが先か、いずれを先と

も言い難い。微妙な相関関係の中にあったことが、見え始めて来た。すると次々とお釈迦

様の発見が続出し、ついにお釈迦様は、十方無限世界の、本質、本相(真のすがた)、本用

(真の働き)のあり方を、究め尽された。これを究め尽したことを『開眼(かいげん)』というのです。

そして開眼者のことを覚者というのです。

  

 此処で注目して貰いたいことは、お釈迦様はこれだけを見究めるについて、道具も機械

も用いられなかったのではないかと思うのですが、この道具も機械も用いないで、あらゆ

る学問を究めつくされた、ということです。

 

(中略)

 

結論を急ぎましょう。これまで述べたとおり、ここにその生涯を極楽の現住者として生

きているサンプルが現存しているのをご覧になれば――地獄から抜けている人が現に

いるのをご覧になれば――あなた方もそのようになれる証拠が示されているということが

おわかりでしょう。

 なるのはむつかしいことではありません。その心にさえなれば、五十六億七千万年を待

つまでもありません。

 

 『慧日』の語意がわかる時、あなた方は自分の本質、本相、本用を了解される時であり、

自己対面をされる時です。この自己対面を『開眼』というのです。

 地獄は人間がつくったものなのです。自分でつくった地獄なのだから、自分が開眼すれ

ば、自分で地獄を閉幕できるのです。

 

 

定価:1200円(送料込)。

なお、5冊以上ご購入の方へは単価1000円(送料込)でお分けします。