東から運ばれるインスピレーションが凍った心を解かす

 

まず、被災された方々、被災された方々のご家族や友人知人の方々に心からのお悔みを

申し上げます。一日、一分、一秒たりとも忘れることなく、他人事とは思えない心境で寄

り添っております。どうかこの重大なできごとを大きな意味のあることとして受けとめる

ためにお読みいただきたく、お願い申し上げます。

この二十年ほどずっと1111という四つの数字のならびを見させられて来たのですが、

9.113.11のそれぞれも意味していたのではないかと思います。またその上に今年は2011

年なのです。これは数秘術を研究している人々にとってはマスターナンバーとして大きな

意味を持つ数字なので、いろいろな解釈がされているようです。1122はマスターナン

バーの中でも特にパワーのある、言い換えれば影響力のある数字ですが、11はお試しの数

ともいわれています。22もそうです。ニュージーランドのクライストチャーチ(キリスト

の家という意味)の地震は2月22日に起きました。数字にも意味があるのは何千年も前

から知られていました。カバラ数秘術という形という形でも伝承されてきています。

でも、数字にはもっともっと広く、深い意味の展開があるのです。これは後でお話ししていきます。

 

原子力の重い力を言司力の透明な波で反発浄化する時代をひしひしと感じます。

スリーマイル島やチェルノブイリそして、東北関東とこれまでの悲惨な事故があって

やっと世界は原発建設の計画を見直し始めたのです。被災された方々は尊い犠牲を払っておられます。

人知の及ばない遠い縁によって払われておられるのだという風に受け止めるしかないと思っ

ております。でも実は被災者は東北の一地域の方々だけではないのです。日本人全部なの

です。その理由は福島原発の3号機の爆発事故の波及的影響にありますが、ここで詳しく

述べるつもりはありません。

さて、日本という国は極東と呼ばれています。これは西側諸国から見ての東に当たるか

らです(当然ですが)。東という方角は太陽が昇ってくる方角でもあることから、その昔「日

いずる国の天子より日しずむ国の天子へ」などと言った文書があるわけです。その東の国

で起きた2011年の311日から始まった大惨事です。単なる大地震でもなく、大津波で

もなく、原発事故へと繋がっていった、おそらく人類未曾有の大惨事かもしれません。未

曾有とは今だかつてないという意味ですが、かつては天災のみで人災は併発が少なく、し

かも原発などなかったからです。原発事故も威力の強大なMOX燃料を使用した事故なので、

自然にある地球の元素のウランでなく人工のプルトニュウム239が関係している事故

なのですから、これはまさしく人災です。

 

この犠牲者となった日本人と日本という国の動向は世界中の先進国が見ています。ここ

で先進国という意味は単に、電子機器がどこにでもあってインターネットでいつでもニュ

ースを見ることができる国としておきます。日本人がどういう人たちなのかを初めてよく

見た人々が大勢いると思います。それまでは多くの人にとって単に、世界にある一つの国

の国民で西洋でなく東洋のアジア人種だったかもしれません。今度初めて「よく見た」わ

けです。3月11日のあと数日間は外国の友人知人から電話や電子メールが次々に届きま

した。無事だったと知らせると、それで終わらず、何回も連絡してくるのです。その中で

も「日本人ってすごいね。あんな状況でも暴動も略奪も起こさないし、おとなしく行列し

て食べ物をもらっているし、わずかな食物でもおいしそうに、嬉しそうに食べている」と

言うのがありました。この極東の国の、西洋人から、いや韓国や中国や他のアジアの国の

人たちから見ても「不可解な日本人」はどこがどう違うのでしょうか。

私は一言で言えば「不協和音を好まない、あまり喧嘩が好きでない」人たちではないか

と思います。列を乱して喧嘩しながら我先に食べ物を奪い合わないのもそのせいだと思い

ます。これを良いとか立派とか言っているのではありません。ただそうであると言ってい

るのです。

 

 では、このような「和音を好む」人々が世界の他の国の人とどこが違うかと言うと、言

葉が違うのです。世界中で日本語を国語として使っている国は日本だけです。英語は英語

圏、フランス語はフランス語圏、ポルトガル語、スペイン語もまたしかりです。しかもそ

の上先に述べて言語のように、インドヨーロピアン語族というような語族のどこにも属し

ていないのです。単一の言語なのです。その言語は他のどこの言語にもない特徴を持って

います。各音節が母音で終わるのです。これは今までも命波のページで何度も書いてきま

した。

 

 本題に入ります。母音で終わる「開いた音節」は一音一音が切り離せる音なのです。子

音の音節は音が団子のようにいくつも固まっているので切り離しができません。Film と

いう単語は一音節ですが、日本語的に発音するとフ、イ、ル、ムというように4つの音に

なります。つまり4つの音が団子のように固まっているのが子音語の音節なのです。

 

 この一音一音切り離せる音のそれぞれに宇宙的意味があるという発見をされたのが、

小田野早秧という人です。日本人はこの宇宙的意味のある音を無意識に毎日使っています。

全宇宙の森羅万象のすべてを「産み出し、維持し、秩序正しく運行させている、原動力と

なる音」を発音し、その音で考えていることを自覚してはいません。この無自覚が明確な

自覚になる時が「覚醒の時」なのです。覚醒はそうなるようにと意図して、あるいは願っ

て、中には渇望のあまり極端な行動荒行、薬物摂取など)をとって手に入れられるもので

はないことは試された方たちはご存知でしょう。これには時期があるのです。この時期に

ついて霊鷲太母はこのように言っていました(霊鷲太母をご存じない方はぜひ、「舟を岸に

つなぎなさい」を読んでください)。

 

 落ち葉の下を行く一滴一滴の水が作る細い流れが、やがて集まって中流となり、ついに

は大河となって海に流れ込むように、人類は最後に一挙に「開眼する」時を迎える、と。

 

 過去の人類の歴史を通し、初めは一滴の釈迦、キリスト、ピタゴラス、空海、親鸞、

ジャンヌ・ダルク、聖フランシスコ、孟子などが小さな流れを作り、何千年の間に中流が

でき、今、この大震災を契機に大河ができる時が来たのだと私は心底から感じ取っていま

す。

 

 なぜ、大震災が必要なのか、必要などと言ったら激怒する人たちもいらっしゃることで

しょう。でも、起きてしまったのです。そして起きてしまった後どうなっていったか、今

の時点でも変化に気づいている方が大勢いらっしゃるでしょう。それは今までぼんやりと、

「今の世の中、このままで良いのか?」という疑問を持っていた人類が「いや、良くない。

何かが根本的に違っているのだ。人類は、そして人間社会の構造は根底から変わらなけれ

ばならない」という明確な回答となって帰ってきたのです(これについても「舟を岸につ

なぎなさい」に疑問が明確に述べられています)。

 

 では何がどう変わる、いや変われる時期となったのでしょうか。

 

 まず、日本人が変わった、いや変わりつつあるのです。飽食と肥満、ガンも含めあらゆ

る形態のアレルギーによる体調不全、経済の先行きに対する心配と恐れ、不平と欲求不満

などから、一日一日、一食一食、一滴一滴の水、一呼吸一呼吸生きているという事実に対

する大いなる感謝と、これまでの己の放漫で傲慢な生き方に対する反省を体験しているの

です。また、自分が被災していなくとも、被災者に対して感じる同情と痛みの共感を体験

しています。

 

 この感情的体験と共感の「精妙にして微細なる」心の働きが生み出している「調和音」

が今一刻一刻、日本人を変えていっていると、私は確信しながら自分の心を共振させてい

ます。

 

 日本で起きた大震災は地球が振動して起きました。ご存じとは思いますが、地球はプレ

ートという地球表面付近で冷たい宇宙に冷やされて固くなった部分に覆われています。一

体に動いている部分を1枚のプレートと言います。大きなプレートは十数枚ありこれらは

動いています。このプレートが衝突したり、一枚がもう一枚の上に乗り上げたり、すれ違

って断層ができることで地震は起きます。このプレートが動き続けているので、地震はニ

ュージーランドから日本へ、そして日本から他の場所にも振動を起こして地震、津波をも

たらして行く可能性が大いにあります。

 

 今、地球さまが震えていらっしゃる、

 

のです。これも太母の言葉ですが、「皮膚の表面が塞がって、違和感があると、どうす

る?拭い去るのに何かするでしょう?地球さまも同じことをなさる、それが地震」と。

 

人類は謙虚にならなければ「天の真の両親」から回答はいただけません。回答(かいとう)となる解答(かいとう)

解凍(かいとう)からおのずからなる形で流れ出てくるものによって起きると思います。何が解凍さ

れなければ解答が出ないのかと言うと、「団子となって固まっている音」がほぐれるような

現象です。どういうことかと言いますと、英語で数のことをNUMBERと言います (NUMB

凍結ER〜〜しているもの)凍結している数を解凍することが必要となるのです。凍ってい

る数とは打算と勘定に使われている数のことなのです。

 

世界のあらゆる不幸な出来事は少数の人々が巨万の富を築くために作られた社会構造

と法律と教育方針から発生してきているものなのです。そしてこの構造を支えているもの

は、大金持ちの頭の良い少数の人々だけではなく、私たち一人ひとりが持っている無知、

無関心、ひとりよがり、偏見、傲慢、物欲、絶望、恐れなのです。言い換えれば、強大な

権力を持つ人たちは一般大衆の支援のもとに存在しているのです。驚きましたか?

 

 この「数を金勘定に使い、常に損得を判断の基準に生きている感情」を調和的で、愛他

的で、細やかな心遣いがおのずから流れ出てくるような優しい感情にするのには、単にそ

う願ったり、意図したりだけでは足りないのです。圧倒的な力を持つ「天の父母」、神聖な

る力、あるいはDevineの介入が必要なのです。介入はある条件が整うことで起きます。

これを小田野早秧の光透波理論に基づいて読み解きましょう。

 

 私たちが見ている現象宇宙はビッグバンによって生まれたと言われています。小田野早

秧のビッグバンの解釈は一般的に言われている科学の説とは違いますが、ともかくビッグ

バンという爆発現象から生まれたのです。始めにエネルギーが中心に向かって集まってゆ

く求心的動きがあり、求心が極みまでに達したとき、行き場のないエネルギーは爆発し、

それと同時に反転して、遠心的エネルギーが生まれたのだそうです。遠心エネルギーには

様々なスピードがあり、その速度によって異なる物質が出来てきたと言います。さて、こ

の現象宇宙創成の順番ですが、始めに求心エネルギー、二番目に遠心エネルギーが出て、

両方が相まって森羅万象(しんらばんしょう)が生まれてきたということになります。

 

 一番目の求心的エネルギーは磁性です。陰陽の陽のエネルギーです。これは言葉を換え

れば「父」にあたる機能です。これに対し遠心的エネルギーは電性です。そしてこれが「母」

にあたる機能となります。父母があって子供が生まれるという順序になります。光透波理

論では、宇宙を構成している元素は「音」であり、音には「意」があります。人間が使っ

ている言語の意味ではなく、宇宙創成に関与している実力を持った意なので、「意実、意實」

と光透波では言います。この意味が「父の機能」であると小田野早秧は言います。

 

では「母の機能」とは何でしょうか。それは「数」換言すれば、数が持っている法則性

なのです。意實だけでは「ただそこにある」だけなのですが、これが展開し、生生流転し、

一瞬一瞬絶妙なタイミングと寸分の狂いもない法則にのっとって生成展開しているから森

羅万象が成立しているわけです。この仕事を受け持っているのが「母」だというのが光透

波理論です。

 

日本は日本語を温存している国で、そこに住み、日本語を使っているのが日本人です。

日本語にはまた、意味を持った図形である漢字という文字もあります。この漢字がまた、

音読みと訓読みという二種類の読み音を持っていてさらなる「音と意味の展開」をしてい

ます。この音が宇宙の意味を持っている言語を使っている日本人が「覚醒への揺さぶりを

かけられ」、長き睡りより目覚めてくると、次に起きるのが、母の仕事の始まりです。

311日の3をミと読むと實という文字が当てられます。3はまた父と母の共同作業によ

って生まれてくる子という順序でもあります。11はアルファベットのKのある順番です。

K は計で、数とも取れます。しかも計(はか)らいのある数です。計らいとは計画性や意図を示唆す

る言葉です。偽りの虚ではなく、反対の「實が分かるような計らい」と読み解けます。

では日本語の話に戻ります。意味という父の実力を持たされた日本語を使う日本人の国

で起きた目覚めが、東から云(運)ばれ(字分け参照)、母の数法則が真の数の実力、つま

り打算的勘定でなく、調和的で完全なる情、「完情」として働きだすと、人々には愛他的情

が生まれ、社会の中で起きているあらゆる闘争と競争による不協和音が調和的音によって

和んで行く現象が起きてくるのです。怒りまくって暴力的になっているアメリカの人々が

和(なご)んでくるのです。英語も他のインドヨーロピアン語族の言語もアルファベットを使って

います。文字の形そのものが意味を展開していない文字です。このアルファベットには順

番性があり、その文字に順番の数値をつけ、数としての力を考察の対象にされたのも小田

野早秧です。その意味ではアルファベットを使う言語は意味に対して数の言語なのです。

数が和していると和むと読みますので、本当に和むのです。和むとは調和している状態で

すが、その和という字をカズともナゴムともワとも読むのが日本語なのです。人々の心が

和むと世界に平和が訪れ(音連れ)ます。それが解凍の結果なのです。それが解答です。

「長き夜の 遠の睡りの 皆目醒め 波乗り船の 音の良きかな」となりますね。

以下は凍の字分けです。



 最後に、父という意實の機能、母と言う数法則で展開している機能のことを
今度の震災の後で私に思い起こさせてくださった八田光典さんに感謝の意を表します。

 

2011.4.1

菊池静流