字分けをしてみよう「正念場」 誠実 後記 「受容と委ね」 前回の 字分けをしてみよう「誠実」

誠実 後記

 

受容と委ね

 

10月22日に前を歩いて行く男性に遠隔ヒーリングをしたというお話をしたが、その続きがある。

 

11月9日、午後1時10分過ぎにやはり五反田駅から歩いて、但し今回は違う目的地に向かって

た。いつもなら左折する箇所で、「ふと」、この次の角まで行ってもやはり目的地に行けるので、そこま

で行こうと思って道路を渡り、前を見ると、あの時の男性が前方に見えた。同じような黒いスーツ姿で

重そうな黒いカバンを右手に提げているのだが、上半身が揺れていない。前回は背中が右に大きく湾曲

していて、脚の長さも違って見えたのに、今回は肩が平行で、左右に揺れないで歩いている。腰は少し

引け気味で、背中は多少丸いが、足取りは確かで、カバンも同じ高さが保たれている。

先月22日から今月9日までの間に何があったのかは知らないが、ともかく体が楽になっているよう

で、嬉しかった。

『何があったのかは存じませんが、ありがとうございます。どうぞお健やかに。そのようにお願いし

ます』と大急ぎで言って、角を曲がった。

 

何故「ふと」違う道を行こうと思うのか。何故1時9分でも11分でもなく、10分にそこに居たの

か。タイミングというものは絶妙だと思う。タイミングがずれていた為にやることなすこと上手くいか

ないという経験は多くの人がしてきたと思う。あせっても、うまく行くように一生懸命努力してもう

くいかない時はいかないものだ。時間というものがまるで意思を持っていて、意図的に人の一生を左右

しているかのごとく思える時がある。たった一秒が命運を決する時があるからだ。あと半秒遅かったら

四重衝突に巻き込まれて死んでいたかも知れないことがあったし、その日に出発していなかったら翌日

多くの死傷者を出したハリケーンに会うことになる場所にもいた。

 

いつどこで何が起きるのかを人間は知らないで生きている。その意味では「お委せ」なのである。ま

た、何か事故あるいは不都合なことが起きたとしても、それもまた「運命」なのである。誰かのせいに

して恨んでも少しも幸せにはならない。受け入れるしかないのである。

 

「受容と委ね」は同じ心の持ち方だと思う。肩に力を入れずに人生を楽に生きているか、怒りと恨み

と緊張に満ちてコチコチになって生きているかの違いはこの二つが出来るかどうかにかかっていると

思う。

 

2009/11/18