仙人

仙人


 仙人とは長生きした末、魂が体から抜け去って空中に帰した者。それ故、後漢のはじめのころまでは遷人と書いていたそうです。その前には仙という字がなかったのです。遷とは中身が抜け去るという意味だそうです。ちなみに後漢の時代に漢字は集大成され、それ以降はあまり増えていません。
 仙人には他に人間界を避けて山中に入り霞と露とを食べて不老不死の術を修行した者という意味もあります。それで山の人と書きます。
 これまでは辞書を見れば分かることです。
 さて、この仙という字を割ってみましょう。

 簡単に分けるとイと山になります。イは人という意味ですが、この音をとって天鏡図の中から「意」あるいは「異」という字を当てるのが命波の常道です。ここでは意を当ててみます。山の意味となります。物体としての山はもう皆さんご存知ですから、この山という字も更に分けて検証してみると、小に一となります。一には始めという意味と絶対という意味もあります。

 絶対の始めの小と分けられました。絶対の始まりが小とは何でしょう。

 小さなものの究極は何でしょうか。ほとんど何もないというくらい小さなものを「点」といいます。位置はあるのですが、広がりがないというものが点です。物理学的には質量がないと言います。つまりこれ以上小さなものはありません。

 原子物理学が発達して、物質を構成している源が質量のない極小の粒子状の何かだということが発見されました。素粒子と名づけた人がありましたが、まだかすかに質量のようなものがあります。その後それより小さなものが想定され、究極的に質量ゼロのものを「統一場」と言うようになりました。

 究極の小が始まりとなって森羅万象が生成されている。つまり生が運ばれて(云=運)いると読み解けます。

 仙人とは究極的には生命が肉体から抜け去って物質が何もない所へ帰る人と考えます。帰るのですから元々は来たわけです。生命の源、創造の源に帰ることとなります。

 出典。学研の漢字源

2005/05/06