女が家にいると安心?

女が家にいると安心?


 今回は「安」という字です。安はやすらかでおちついているという意味で、熟語にも平安とか安心と安定とかいうのがあります。総じて良い意味の字です。まず、普通の辞書的意味では屋根、ひいては家という意味を持つ「ウ」の中に「女」がおちついて居る状態だそうです。女が家に居ると安心だからでしょうね。男が家に居たらどうです? え、邪魔? そんなこと言っちゃ悪いわよ。

 中学生の子供のいる友人の話ですが、その子の学校では暴力的な子供が多くて大変なのだそうです。そして、暴れている子供達には共通項があって、「お母さんが食事を作らない」のだそうです。食事を作らないのは多くの場合、お母さんが外で働いていて家に居ない、だから作る閑がないということらしい。仕事で疲れていてその余力がない、自分も稼いでいるのに何で自分だけ家事まで全部やらなければならないのか(お父さんもやらないし、子供も家事を手伝わないし、面白くない。もう嫌!)。仕事の帰りにスーパーに寄れば、すぐに食べられる食品がたくさんあるし、値段も手ごろだし、何で面倒くさい料理する必要があるの? 主婦が家に居るのを好まず仕事するのは必ずしもそうしなければならないからではなく、もろもろの自分なりの(あくまでも自分なりの)理由があるらしい。まあ、現代は女が家に居ても良いような社会的経済的状況ではないというのもあるかもしれないけれど。

 さて、中学生だった頃を思い出してみてください。私を例にとれば、いつもお腹が空いていました。家に帰ってまず家人に聞くのは「何か食べるものはない?」でした。これは家人が居たから出来たことです。また家人(祖母や母)が常に何か食べるものの支度をしていたからです。成長期でしかも非常に活動的な年齢で空腹は当然でしょう。体が栄養を必要としているのです。その時にろくな食べ物が入らなければ相当不満だと思う。頭に来るかも。その状態がもっと続けば腹が立ってしょうがない、何かに当り散らして発散しなければ爆発するのでは?まあ、これは女が家に居ないとこうなる場合もあるということで、必ずしも一日中家にいなくても家事もちゃんとやっている女性も大勢いるとは思いますが。

 例にあげた食べ物のことだけでなく、他にも女性不在の家はいろいろな意味で殺風景かもしれません。ただしこれは、女性は家に居ろという説教ではありません。でも原因と結果という法則の観点から家族持ちの女性の守備範囲の何たるかを再考してみるのは良いかもね。

 さて、辞書的意味での「安」という字を初めに検証しましたが、これを命波的に二つに分けると、宇宙を表す「ウ」と「女」になります。ウは宇宙のウっていうのはもうおなじみですよね。では「宇宙の女」というのは一体何だろう。地球の女なら肉体を持った人間の女性だけど。宇宙の女なら肉体を持った女ではないでしょうね。宇宙では肉体を持ったままで生きられないから。これは女性的エネルギーのことでしょう。陰陽なら陰の方。電磁気的には電性。運動の方向性としては遠心性のエネルギーです。平衡性や安定性を保つのに必要なエネルギーとも言えます。それで安定とか安泰とか平安という熟語が出来ている訳です。ウ冠に男という字はありません。機能が違うのです。男性は家やある特定の場所に落ち着いている種類のエネルギーではないので、ウ冠に男という字がないのです。

 だから何だ? それはまあ、字を見れば色々なことが分かるという一例ということで、男は家事をしなくても良いということではありません。念のため。

 次ぎはもっとマニアックな人のための字分けです。


 「安」という字は音読みで「ア、ン」です。それぞれの音に天鏡図表を参照して、初めにピカッと意識にのぼった字を当ててみますと「空」と「云(運ぶという意味)」になります。別にこの字を当てなくても良いのですが、私にはこれがピッタリ来たのです。
 では空が運んでいるとは何でしょう。地でなく空(クウ)が運んでいるものと取りますと、物体ではなく形の無いものと解釈できます。今度はそれの意味するところを補足するために訓読みの音である「ヤ、ス」に又字を当てて見ます。

屋の主という文字がピッタリ来ました。その前から続けると、空の運んでいる姿のない屋(家)の主となります。その正体は音の名(ナ/メイ即ち命そのもの)だと解釈できます。「女」という字には「ヲンナ」という音があり、それに音の命(つまり生命エネルギー)という字を当てたわけです。ちなみに「男」(オトコ)には「音と光」という文字が当てられます。「音の光」が一瞬ピカッと発生しますとそのエネルギーを被った女はその瞬間から継続的に命を育み出します。

 人間の場合は男の精エネルギーが女の卵子に掛かりますと受精し、その時から卵は分裂を始めます。女は屋(家)でせっせと一個の受精卵から60兆個の細胞を作って新しい生命を生み出します。音の光、つまりエネルギーの凝縮された種(求心的エネルギー)をどんどん拡大し増やしていく(遠心的エネルギー)が音の命の機能です。

 そして、その命のエネルギーそのものがウ(天鏡表から干の字を取りました。干は訓読みではココ、即ち此処という宇宙となります)という宇宙の主であるとなります。そして主は女、即ち女性エネルギーあるいは女性原理となり、それが「安」という文字の内容だという解釈になります。

 文字「安」は安定、安泰、平安という継続的性質を持った状態を表す熟語を形成しています。

 命波の講座を受けていない人には解りにくいと思いますが、気長にじっくり読んでみるとそのうちだんだんに解ってくるかもしれません。初めに全く理解できない場合は頭が痛くなったり眠くなったりするかもしれません。でも、解ってくるにつれてあなたの頭脳は活性化してきます。頭も筋肉と同様に使わなければどんどん鈍ってしまいます。すぐに諦めないで粘ることが大切です。

  又次回も字分けを紹介しますね。

2003/06/04