字分けをしてみよう 2

「完」は完全の完


 今月は完という字を検証してみよう。

 二つに分けるとウと元になる。先月やったけど、ウは宇宙のウ(こんな題名のSFあったね。たしかアイザック・アシモフの)と解釈しよう。他の解釈もあるけど。宇宙の元は完全とか完璧と解釈できる。元だからその次に何か続いて出てくるという意味を含んでいる。元があって派生したものとは何か?
宇宙にある森羅万象(ありとあらゆる物という意味)が派生してきた物と考えられる。銀河宇宙も惑星も惑星の上に住んでいるあらゆる生物も派生物で、元は完璧な材料で出来ていると解釈しよう。元は完全なら、派生物は完全かどうか?

 自分を見てみよう。あんまり完璧とはいえないかな。まあ自分は横においといて。他にも完璧な物はないかな。絶世の美女もおばあさんになるし(おばあさんが完璧でないというの失礼かな。ゴメン)、花もしぼむし、一見永遠不変の岩だってやはり磨耗するし、一時的には完璧に見えるものでもそのうちに古びたり、萎びたり、壊れたり、とかく物体というものは完全性は持続できないようだ。これを難しく言うと。「諸行無常」となる。あらゆる物はいつかは必ず滅びるという意味。

 滅びないのは宇宙という元だけ。だって、滅びちゃったらもう何も派生して来れないじゃない? つまり終わりまでず〜っとそのまま元気一杯完璧でいる。終わりったって終わりじゃなくて、完(ヲワリ)。昔は映画のエンドマークはこの字だったの覚えている?発音もオワリじゃなくヲワリ。今は同じになったけど。

 完の終りは終りじゃなくて、また始まるという意味。映画も終わるとまた次の回が始まるよね。あんまりいい例じゃないかもしれないけど。ともかく、完は終わらない終りのことで、ぐるぐる回るから、完という字はカンとも読み、環と同じ音です。環はぐるぐる回って始まりも終りもないという意味。始まりと終りの間もカンなのだ。良く出来ていること。鐘三つカン、カン、カン。

 はい完。


2002/10