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     ただ今恋愛中

 

 

 四柱推命学の研究家の友人から今年は私にとって恋愛運の強い年なので、良きパートナーにめぐり合うかもしれないと言われた。そう言われた時期待はしなかったのだがともかく6月に渡米、日常を離れた場で誰にめぐり会うだろうかと淡い思いはあった。

 旅の始まりとしてアトランタに到着。友人宅に行くと、3匹の犬のお出迎え。ラブラドールが混じっている大型犬と小型の雑種(ダックスフントと何か)は友人の家に。もう一頭の大型犬はとなりの娘さんの家の。どれも捨てられていたものを引き受けたので犬種はわからないそう。ともかく大歓迎された。雄犬2匹にめぐり会ったわけ。家中何処へ行っても付いてくる。トイレまで付いてくるのをドア口で追い払う。夜トイレに行こうとドアを開けるとドアの外に寝ているのが付いてくるという具合で、そんなに知らない人に懐くのを友人一家も不思議がっていた。

 ソファに腰掛けると小さな犬はヒザ脇に、大きい方は足元にうずくまる。仕方がないので撫でているとじっとしていて動かない。三泊して次に行ったヴァージニアの友人宅にはジャクソンという名のウエスティー(スコッチテリア)がいた。またもや大歓迎。子犬の頃に捨てられ、いじめられたらしく、ひどく人見知りし、知らない人が来ると隠れてしまうのにと、その友人も不思議がっていた。

 以上の事実をまとめて、分かったことはどの犬もみな病気だったということ。原因はどうやら私の直感では薬のせい。心臓につく寄生虫とダニのそれぞれがつかなくなるという強い薬を二種類定期的に飲ませているのだそう。アトランタでは気が付かなかったが、テリアは先月投薬後に呼吸が止まって、しばらくしてやっと蘇生させられたそう。寄生虫やダニも寄り付けないほどの毒を犬に飲ませて大丈夫なのだろうか?素人の私には不可解な処理法だ。しかし何故かそんなことをしてはいけないと感じてしまう。

 ヒーリングを始めるとヒザの上で微動もせずにいる。腰のあたりに小さな傷があったが、グルーミングの際にハサミ傷が付いたのが一月経っても治りきっていないという。これは異常な状態だと思う。まず傷のある箇所からヒーリングをし、心臓に手を当てたとたんに「ズキン」と強い衝撃が左手の薬指と中指から腕の内側を通って私の心臓に痛みとなって走った。心臓の痛みがなくなるまで手を当て続ける。その後は全身を静かに撫でていた。小さな体に強い毒が回ってしまっているのだろう、元気がないのに一生懸命遊ぼうとする。早朝、ボールを投げると取りに行き、咥えて戻ってくるという犬の好きな遊びを3、4回で止めてしまっていたのも病気の症状の一つだったと気付く。

病気なの僕

 

毒消しに効果のある(と私は信じて飲んでいる)ゼオライトという溶剤を水にいれておいたところ、いつもの三倍ほどの量の水を一気に飲み干した。これも加えて元気になったようで、ほっとする。友人がその犬に対して抱いている愛情の強さを見ると、決して死なせてはならないという思いがあったからだ。

ついでにアトランタの犬たちにも遠隔でヒーリング。気付かなかったために邪魔にして済まなかったと思う。

 

 

もう元気になったよ

 

私とジャクソンとの間にも強い絆があるようで、独り暮らしのレジナ(友人)を護るために生まれてきた天使なのだろうと思ったとたんに胸が詰まって涙が滝のように流れ出たのには驚いた。泣くような理由がなかったからだ。ジャクソンの思いと私の思いと一つに解け合った喜びの涙なのではないかと感じた。それからは離れた場所にいるジャクソンの思いがすぐに伝わるようになった。二階にいると階下で呼んでいる(もちろん無言で)、外に出たいという思いが伝わる。出してやってしばらくすると、中に入りたいという思いが届く。「水」という思いが伝わったが器に水が入っている。新しい水にとりかえると飲みだす。車の中で抱いていると首を回して私の顔を見る。窓の外を見たいのだ。持ち上げると窓外をじっと見ている。ほとんど鳴かない犬なので無言でこれらを伝えてくるのだ。伝えようとすることが分かるたびに胸が詰まって涙が出そうになるのは何故なのだろう。情の通い合いに伴う強い喜びが感動の涙となるのだろうか。人間同士でこんなに気持ちが通い合ったら世の中はどれほど楽しく気持ちの良いものになるだろう。ペットを飼う人たちはまず動物との交流から練習を始めて人間同士も分かり合えるように進化していくのだろうか。

 空港に向かう車の中でも抱いていてお別れのシーンではまた泣けた。まるで親バカならぬ犬バカではあるが、どうぞ写真も見ていただきたい。何しろ恋愛中なのだから理解して欲しい。

 

さようなら。又ね。

 

2010/07/04