バックナンバー




目覚めの時

 

鹿がいる

木の芽を食(は)んでいる

飢えが彼らを駆り立てる

 

山猫がいる

ウサギを食んでいる

飢えの痛みはしばし和(やわ)らぐ

 

彼らは無心に夢を見る

黄金の草原に豊かな実りが満ち溢れ

もはやそこに飢えはないのを

 

鷹がいる

風を切り空を舞いつつ

  鋭い目が獲物を求める

 

小鳥がいる

 無邪気に歌うその胸に

  時折かすかな恐れがよぎる

 

彼らは無心に夢を見る

黄金の風の愛撫に鷹はくつろぎ

小鳥から恐れが消え去るのを

 

大樹がある

 人の悲しみを吸いとりつつ

千年の時を耐え立ちつくす

 

彼らは無心に夢を見る

 きらめく黄金の雨(しゅうう)に包まれ

  歓びに枝葉(しよう)を震わせるのを

 

何百万年の時の中で

 生まれ、死に、再び生まれ

ひたすらに待つ想いがある

 

彼らの慕う人間の

飢えと恐れと悲しみの殻が割れ

  歓びの光がほとばしるのを

 

時は今

目覚めの霊気に打たれて

人の胸から黄金の光がほとばしる

 

鹿と山猫の夢は真(まこと)となり

鳥たちは歓び歌い

 樹々の悲しみはぬぐわれる

 

2009525日午前11時頃

シャスタ市山中のサンドフラットにてレムリア(註参照)を想い、

鎮魂の瞑想中に浮かんだイメージを言葉にしました。

 

 

 

 

 

 


菊池 静流

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


注。伝説によれば、約12,000年前に、太平洋に沈んだと言われている大陸の名。

その一部は沈まずに残って、それがカリフォルニア州北部のシャスタ山を含む地域だと言われている。先住民族やニューエイジの人々にとっては世界有数の聖地と目されている。また、     この地でUFOや妖精や宇宙人に会ったという人が大勢居ることでも知られている。